AIに「どれだけ読まれ、どれだけ客が返ってくるか」を1つの数字に。Microsoft Clarityが無料で出してきた

AIに「どれだけ読まれ、どれだけ返ってくるか」が1つの数字になった

Microsoftが8月13日、Clarityのボット分析に「AI Scrape-to-Referral Ratio」カードを追加した。AIクローラーが自社サイトからどれだけコンテンツを収集し、その見返りに何人の訪問者を送ってきたかを、AI事業者別のランキングで表示する。公式のサンプル画面が示す比率は6,000対1、送客はわずか41件。しかもこの数字からワンクリックで、実際に来た訪問者のセッション録画に飛べる。料金は無料(CDN接続が必須)で、同種の指標を有料提供するCloudflareに真っ向からぶつけてきた。

何が起きたのか

  • クローラーの収集量(サーバー側ログ)と人間の訪問(計測タグ)という別々のデータを、1つの比率に統合。AI事業者別に「読むだけの相手」と「客を連れてくる相手」を見分けられる
  • 比率からAI経由訪問者の録画へ直行でき、スクロール・回遊・購入・フォーム送信など「来た後に何をしたか」まで確認できる
  • この指標はCloudflareが先行しており(極端な例では28万回収集に送客1件)、9月15日からは同社ネットワーク新規参加の広告掲載ドメインでAIクローラーが既定ブロックになるなど、「読ませるか課金か」の判断材料として使われ始めている

何が重要なのか

比率が低い=損、とは限らない点が肝心だ。Clarity自身の調査では、AI経由の訪問者はサインアップCVR 1.66%と検索経由(0.15%)の10倍以上で、深い階層のページに直接着地する。一方で他の調査ではAI経由が従来チャネルを下回る例もあり、公表されている効果倍率は業種・サンプル次第で「パリティ未満〜11倍」までばらつく。つまり業界ベンチマークはほぼ役に立たず、自社の訪問者を直接観測するしかない — 録画に直行できるこの設計は、まさにそのための道具になっている。

なお、AI経由の流入はリファラ欠落などで系統的に過少計測されており、比率は実態より悪く見えがちという注意点もある。

実務でどう効くのか

  • 無料なので、CDN(Fastly/CloudFront/Cloudflare、WordPressはプラグインで自動)を接続してまず自社の数字を取る。先日のIABガイドの言葉で言えば「探索的」データの入手コストがゼロになった
  • 判断は比率でなく録画で。AI経由の訪問者がフォームを送っているなら、比率が悪くてもその事業者は「読ませる価値がある」相手になる
  • AIクローラーをブロックした出版社は月間訪問の23.1%を失ったという研究もある。遮断・課金・容認の判断は、業界の空気ではなく自社の観測データで下したい

ひとこと

「AIに奪われているのか、連れてきてもらっているのか」。その答えが業界レポートではなく自社のダッシュボードにある時代が、無料で始まった。

参考リンク

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投稿者 Omi

Social Media, Search, Affiliate, E-Commerceなどの 世界的デジタルプラットフォームで25年以上 日本事業のマネジメント(カントリーマネージャー)、 出稿広告主のサポート、営業チームのマネジメント、 媒体企業のサポート、事業開発チームのマネジメント など を長年経験

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