Alphabetが7月22日に発表した2026年第2四半期決算は、売上高1,198億ドル(前年同期比+24%)とアナリスト予想(約1,170億ドル)を上回った。注目すべきは、AI OverviewsやAI Modeの展開が進むなかでも中核の検索広告が633億ドル(+17%)と二桁成長を保った点であり、「AIが検索広告を食う」という懸念は、少なくとも今回の数字には表れていない。むしろ市場が反応したのは支出の側で、株価は時間外で5%近く下落した。
事業別に見ると、検索広告は633億ドル(+17%)、YouTube広告は111億ドル(+13%)、そして最速成長のGoogle Cloudは248億ドル(+82%)で、受注残(バックログ)は5,140億ドルに積み上がった。全社の営業利益は408億ドル(+30%)、営業利益率は前年の32%から34%へ改善している。一株利益は9.11ドルで予想を上回ったが、この数字にはAnthropicやSpaceXなど保有株の未実現評価益が大きく寄与しており、本業の実力は営業利益と利益率で読むのが妥当だ。
一方で、市場の視線を集めたのは設備投資である。第2四半期のCapExは449億ドルと前年から倍増し、通年ガイダンスは前回の1,800〜1,900億ドルから1,950〜2,050億ドルへ引き上げられた。フリーキャッシュフローは59億ドルのマイナスに転じ、成長の裏側でAIインフラへの投資が急速に膨張していることが鮮明になった。増収増益であっても、市場は「成長」ではなく「支出」に反応したかたちだ。
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ここで重要なのは、AI検索面が拡大するなかでも検索広告が+17%成長を維持したという事実の解釈である。AI OverviewsやAI Modeは検索体験そのものを書き換えつつあるが、少なくとも現時点では検索のマネタイズは毀損されるどころか拡大を続けている。もっとも、これを「AIは検索広告を食わない」と一般化するのは早い。当サイトで以前取り上げたように、AI検索の利用は米国が19市場中最下位、日本は8か月で3.5倍というように、AI検索の浸透には市場ごとの濃淡がある。検索広告の底堅さは、置き換えがまだ地域・用途によって不均一にしか進んでいないことの反映でもある。
今後の論点は、膨らむCapExとマイナスに転じたFCFが示すように、成長の持続が巨額のインフラ投資を前提にしている点だ。マーケターにとっての含意は二つある。ひとつは、検索広告が当面はAlphabetの成長エンジンであり続けるという足元の安心感。もうひとつは、そのAI化への再投資コストが、いずれ広告単価やプロダクト仕様——AI Mode上での広告表示や引用の扱い——に跳ね返る可能性を、いまのうちから織り込んでおくべきだということである。検索面の変化は、もはや決算の一項目ではなく、運用の前提条件として読む段階に入っている。
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参考リンク
Yahoo Finance: Alphabet Q2 2026 earnings: revenue up 24%, Cloud surges 82%
