ChatGPT回答の26%にすでに広告が載っている
Similarwebが8月17日、広告インテリジェンスの新データセット「AI Ads」を発表した。ChatGPT・Google AI Mode・AI Overviewsで実際に配信された広告を、合成プロンプトではなく実ユーザーのパネル(匿名化されたWeb利用データ)から追跡する。数字も同時に示された。ChatGPTの回答の26%(Free/Go層)にすでにスポンサード広告が含まれ、広告対象となるGoogle AI Modeクエリの約30%にも広告が表示されているという。広告による「Media Monetization」という事業の観点で考えるKPIとしてはCoverageがそれぞれ26%と30%ということだ。(もちろん厳密な値ではない。検索量加味したWeightedもされてない数字なので)
何が起きたのか
- 競合他社がAI面でどんな広告を、どんな文脈で出しているかを見られる「Ads Gallery」を提供。世界全体と市場別の分析が可能
- 測定手法が重要で、ツール側が機械的に質問を投げて観測する「合成プロンプト」方式ではなく、実際のユーザーに実際に配信された広告をパネルで捕捉する
- 背景には透明性の空白がある。Meta広告ライブラリのような公開アーカイブがAI広告面には存在せず、競合はおろか自社チームですら「何がどこに出たか」を確認しにくい状態だった
何が重要なのか
26%・30%という浸透度は、AI面の広告が「実験枠」ではなくすでに主要在庫であることを示している。Google検索の40%超がAI Overviewsを表示する環境では、AI面の広告露出は無視できない規模になった。
そして競合調査のレイヤーが生まれたことで、AI広告は「出してみないと分からない」チャネルから「競合の出稿状況を見てから判断できる」チャネルに変わる。日本でもChatGPT広告の実配信が始まったばかりのこのタイミングで、参入判断の材料が一つ増えたことになる。留意点は、パネルデータには利用者層の偏りがあり、数字はSimilarwebの商用発表であること。規模感の把握には使えるが、精密な出稿判断には自社検証を重ねたい。
実務でどう効くのか
- ChatGPT広告のテストを検討中なら、まず競合・同業がAI面に出稿しているか、どんな文脈で出ているかの偵察から始められるようになった
- 「AI面に広告を出すと回答の中でどう見えるのか」をクリエイティブ検討の前に確認できる。会話文脈連動の広告設計はまだ定石がなく、他社事例が最良の教材になる
- AI可視性(オーガニックの引用)と、AI広告(ペイド)の計測が別々のツールで揃い始めた。両者を並べて「オーガニックで取れない文脈はペイドで補う」判断ができる体制が次の一歩
ひとこと
広告の歴史は透明性の歴史でもある。見えない面にはブランドの予算は集まらない — AI広告が本当の予算を集める条件が、また一つ揃った。
参考リンク
- 発見元: Similarweb says it can track conversational AI ads (The Verge)
- 公式: Similarweb Unlocks the Black Box of AI Ad Placements (Similarweb IR)
- 関連(当サイト): AIに「どれだけ読まれ、どれだけ客が返ってくるか」を1つの数字に。Microsoft Clarityが無料で出してきた
