AI経由の発見は増えているのに、報酬設計は追いついていない

生成AIやAI検索が広がるにつれて、消費者が商品やサービスを知る接点はこれまで以上に複雑になっている。検索して、比較記事を読み、SNSや動画を見て、最後にAIに要約してもらって意思決定する。そんな流れはもう珍しくない。

問題は、この複雑さに対して、広告主側の測定や報酬設計がまだ追いついていないこと、そしてここからくる媒体側への不十分な報酬還元だ。

広告主観点で。従来のデジタルマーケティングでは、どのリンクをクリックしたか、どの媒体から流入したか、どのアフィリエイトやパートナーが最後の後押しをしたかを比較的(あくまでも比較的、だが)追いやすかった。しかしAIが間に入ると、消費者は必ずしもそのままリンクを踏むわけではない。比較記事やレビュー、動画、UGC、各種メディアが意思決定に影響していても、その貢献が従来のラストクリック型の計測では、より見えにくくなる。

eMarketerが紹介したPartnerizeの調査でも、AIが購買に影響していることは認識されている一方で、それを適切に報酬へ反映できているマーケターはまだ少ない。つまり、消費者の行動は変わっているのに、評価の仕組みは古いまま残っている。

ここで重要なのは、AIによってメディア接点が減るというより、接点と貢献の形が分解しにくくなることだ。AIの回答だけが価値を生むのではなく、その背後には比較記事、専門メディア、レビュー、動画、SNS投稿など、複数の情報源が折り重なっている。にもかかわらず、最後のクリックだけで価値を配分している限り、その途中の貢献は過小評価されやすい。

だから今後の広告主には、単純なアトリビューションだけではなく、複合的なMeasurementが必須になる。クリック、流入、CVだけを見るのではなく、AI上での可視性、指名検索の増加、想起、比較検討段階での露出、複数チャネルの相互作用まで含めて見ていく必要がある。

そして直近でも取り上げた(GoogleのAI検索、出版社に「出る・出ない」の選択肢提供。)が、引き続きパブリッシャー側のAI検索/AI全般への貢献は現状ほぼゼロ、提供される選択肢もゼロイチでしかなく、中間の細かい選択肢もなければ、収益還元もない

AI時代の課題は、「AIにどう出るか」だけではない。誰が意思決定に貢献したのかを、どう測り、どう報いるのか。そこまで設計できるかどうかが、これからの業界課題になっていきそうだ。

参考: eMarketer / Partnerize

Omi のアバター

投稿者 Omi

Social Media, Search, Affiliate, E-Commerceなどの 世界的デジタルプラットフォームで25年以上 日本事業のマネジメント(カントリーマネージャー)、 出稿広告主のサポート、営業チームのマネジメント、 媒体企業のサポート、事業開発チームのマネジメント など を長年経験

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です